えげつない会社やぁ~2011/08/01 17:00

この就職難の真っ只中、先月末で4年4ヶ月勤めた会社を辞めました。

とりわけ中高年の再就職が難しいと言う事は重々承知していますが、それが分かっていても続けられない状態になってしまったので、辞めざるを得ませんでした。とにかくこの会社、ギャグマンガが間違いなく一本書ける程のとんでもない会社で、これから書く事を容易には信じてもらえないんじゃ無いかと思っています。ま、一応フィクションと言う事にしときましょうか。(笑)

2007年3月、2月に日産自動車不調の煽りを受けて自営業を廃業、キヤノンカレンダー作家の公募に敗れ去り、再就職するべくツテや求人チラシを見て応募をしていたんですが、分析系の派遣社員は保険や通勤費用無しで支給金額20万円程度と少なかったので、出来ることなら正社員を希望していましたが状況は厳しく、ようやく採用してもらえたのが大阪市某所にある造船関連の会社でした。同時に製薬会社にも声を掛けてもらっていたんですが、こちらは人事担当が要らないと言い、希望する部門の部長が会いたいと言っていましたが、結局は人事担当の意見が通ってダメになりました。

面接の時には「派遣社員の20万円程度の給料では生活出来ません」と訴え、「難しい仕事でも頑張ります」と伝えて何とか採用にまでこぎ着け、「頑張って技術を身に付けて、定年まで頑張ろう!」とやる気満々で入社日を迎えました。職種はNC旋盤のプログラマー&オペレーターで、「一人前になるには3年はかかる」と言われていました。

が、この会社が稀なくらいのハズレ、ババ、ドツボと言う形容がぴったり当てはまる会社で、私が入社後1ヶ月で嘱託扱いの旋盤職人のオジサンが「えげつない会社やぁ〜、血も涙も無い」と捨て台詞を残して去り、同じ嘱託扱いで年配の検査員氏も「よくしてくれる会社ちゃうから技術を身に付けたら辞めなアカン」と言い残して去り、ヒラのベテラン社員さんも「あいつら(幹部)は人間としての節度に欠ける!」と、ボロクソに言われる様な会社で・・・。

因みに、世間一般で言うところの「ブラック企業」かと言うとそうでは無くて、冒頭でも書いた様に「トンデモ企業」ってところです。色で言うと、グレーかな?
出勤最終日にはネットで買った清めの塩(写真)を持って行き、家に入る前に入念に身を清めて縁を絶ち切りました!

私が社長の○○です2011/08/02 19:00

さて出社初日、2階にある事務所の片隅で、他の同期入社2名と座って始業時間を待っていると、事務所の中を所在なげにウロウロしているオッサンが1人居ました。「誰だろう?工員さんかな」と思って数分が経った頃でしょうか、そのオッサンがヘラヘラ笑いながら近付いて来て「私が社長の○○です」と。えぇ!あんたが社長なの!全然そうは見えない威厳の無さ・・・同期2人も全く同じ事を思ったそうです。

その後、7月にも新しい人が入ってきたんですが、入社当時は社長が療養中でおらず、「社長が出てきたら教えて下さい」と言われていたので、出社して来てすぐに「あ、あれ!あの人!」と言って教えてあげたんですが誰だか分からず、社長が近付いてきても分からず、「あんたが○○さんか」と言われて初めて分かったとか。要するにオーラゼロ、どう見ても社長なんかには見えないってことですね。

コイツが私が見てきたどんな人間よりも××であることはまた後ほど。

新人研修で組織図が配られたんですが、社長と経理の2名が同じ名字で「ヤバイ」と思った時にはもう手遅れ。株式会社と名前が付いているものの、実態は隣の家に住んでいる一族が経営する「同族企業」だったんです。経理の1人は社長の妻、もう1人は社長の妹、専務は社長の姉の旦那。もうガチガチですね。社長は創業者(故人)の息子、創業者の妻は監査役としてなぜか名前だけが記されていて・・・ますますダメじゃん。

でも、全ての同族企業がダメって訳でも無いでしょうし、会社に入ったからには頑張って自分の仕事をすれば、見ている人は見ていてくれるはずと思い、頑張ってみる事にしたんですけど・・・。

これ以上は絶対に上がりません!2011/08/03 13:30

4月1日から3日間は新人研修と言う事になり、2日には早くも給与額が決定して各人に説明があり、私も顧問氏に連れられて別室へ。そこで提示された額は21万円+精勤手当1万円。おいおい、いくら電車賃と企業年金が出るとは言え、派遣社員の給与に1万円乗せただけで何で生活出来る様になるわけ?後で試算してみましたが、派遣先の電車賃を計算に入れて、贔屓目に見ても2万円ほど多いだけ。募集要項の給与額は18〜30万円と書いてあったので、年齢も考えたら25万円くらいはあるんじゃ無いかなぁと思っていた私の皮算用は見事に裏切られました。

まぁ、面接の時にハッキリとした額を聞いていなかった私にも非はありますが、それにしても少なすぎ!「21万円ではちょっと・・・」と言って印鑑を押すことを保留しました。翌日、再提示を受けた給与額は22万円。自分にも非があるし、もうどうしようも無いと思って印鑑を押しました。後で経理の妹君に「これ以上は絶対に上がりません」と、机を叩きながら言われた時は「何だこの会社」と思いました。

この給与額、私だけが少ないと言うわけでは無く、現場で加工作業や検査、出荷作業を行っている人は年齢を問わず(!)21〜23万円。ほとんどの人が22万円で働かされていました。中にはその金額で妥当という様な人も居ますけど・・・。

同族企業ですから「マイルール」を設定し放題で、4月1日付で正社員採用されたにも関わらず、「入社してから90日間はボーナスの査定対象外」と言う条項があり、当てにしていた夏のボーナスも1円たりとも受け取ることが出来ず、貯金を切り崩すハメになってしまいました。加えて1日から3日間の研修期間中は何と無給!1日付けで正社員として契約しているはずなのに、研修期間中は無給なんて聞いた事がありません。
しかも各種手当てが全く充実しておらず(笑)、住宅手当無し、配偶者手当も嫁が5千円、子が3千円、交通費の支給は自転車通勤1000円、バイク通勤はガソリン代だけ、昼食の弁当は会社は一切関知せず、親が死んでも忌引きは休日込みで3日と、もうあまりのマイルールっぷりに笑ってしまい、入社3日目には「ダメだぞ、この会社」と思ってました。

本物はスゴイ! 12011/08/04 16:00

最初に就職した所は製薬会社の工場内にある研究所で、工場内の社員は500人以上居たので大抵の人間は見てきたつもりでした。いい人、嫌な奴、頭の切れる人、仕事の出来ない奴、面白い人、つまんない奴・・・。しかしです、世の中には居たんです、私が見た事の無い本物の阿呆が。

一応、私の偏見で無い事を付け加えておきますと、社員、外注先、元請け会社、取り引きのある会社等々、社長を知る人物の全員が「あいつはアホだ」と言ってはばかりません。しかも実務をやらせてもからっきしダメで、古参の役員氏が「あいつは子供の頃から知ってるが、何をやらせてもダメだ」と、ボロカスに言われる始末。こんな無能の輩が創業者の息子と言うだけで月150万円(ほぼ確実な額)も持って行くんですから、社員のやる気が萎えてしまうのは仕方が無い事で・・・。

○某社社長の日課
朝礼が終わったら自転車でフラフラと出撃、行き先は外注加工会社や工具屋さん等。話す内容は、自分の会社の自慢話、自分の会社の社員の悪口で、仕事が上手くいったら自分のおかげ、仕事に失敗したら社員のせい。
2時間くらいフラフラしたら、会社に戻って来て工場内を視察。本当にただ見るだけ。時々社員の仕事の粗探しをしては朝礼で発表、「ちゃんと考えてやる様に」と、偉そうにご発言。その内容もツッコミどころ満載なんですけどね。

事務所に行ったら机で寝たりして(!)ボーッと過ごし、時折窓から外を眺めているらしく、業者が会社に来たら(車を駐めるので分かる)間髪を入れずに工場の方へ降りて来て自慢話。その自慢話と言うのも、「この前会社に入れた機械があかんから文句言うたったわ!はぁ〜っはっはっは」と言う様な、阿呆丸出しの内容で聞くに堪えません。

昼飯を食ったら颯爽と自転車にまたがり、午後のパトロールへと出撃。定時後まで帰って来ないこともあれば、15時過ぎに帰って来て午前中と同じループの場合も。定時の帰路に、帰って来るヤツと時々すれ違う事があるんですが、チンタラヨロヨロフラフラ走ってやがります。

でまぁ、この阿呆が行った先の業者から話を聞くことがよくあるんですが・・・。
(続く)

本物はスゴイ! 22011/08/05 16:30

「おい、あの社長、また来とるで、相手したれや」

と言われているのは某社を担当している営業氏。顔を覚えたらもう友達と思っている様で、毎朝自転車でやって来ては会社の前で事務所を見上げて「にへらぁ〜」と笑っているのだそうで。まぁ、取引先の社長ですから無下にも出来ないので事務所に上げて座らせ、対面に座るとテーブルの下からほのかに香る小便の香り・・・そう、コイツは小便をチビってるんです。いや、本当です。何でも、昔クモ膜下出血で倒れたことがあって、それ以来小便をチビる様になったとか。そんな状態でよその会社行くなよ・・・恥ずかしい。うっとおしいので、「社長、これでコーヒーでも飲んで下さい」と言って500円玉を渡すと、嬉しそーな顔をして帰って行ったこともあるそうで。特に親しくしている業者さんの所には毎日行くんですが、そこの社長に「今日もあんたんとこの社長来るかな」って言われた事もあります。

金銭面では社長が社員を引き連れて飲みに行ったという事はありませんし、社員旅行に出す寄付は1〜2万円で「こんなにたくさん取られた」と言うし、社員の煙草にたかって返さない、社員が置いているおやつを勝手に食うって事もありますね。社員旅行の寄付なんて、気を遣った工具屋さんとか外注先の方が多いくらいです。

何と申しましょうか、もう規格外の阿呆ですよね・・・。ワールドクラスです。

阿呆の症状は他にもあって、自分が特に自慢したいことがあると、突然吠え出します。「この仕事やらしたら、この界隈では俺の右に出る奴はおらん!」(実際はいっぱい居ますが)とか、「旋盤の扱いはこうや!」(間違ってるんですが)とか、「この仕事はウチでしかでけへんのや!」(嘘です)とか・・・。もうこんな奴と同じ空気を吸っているだけで憂鬱になります。
ある時、自慢の一環で大見得を切り「おぉ、このネジやったらウチで出来る!」と言って取ってきた仕事、加工用の道具が無くて30万円ほど掛けて買わなければならないと後で分かった事も。結局は他県の支社(工場)にたまたま道具があったので、そこで加工したという始末。

口だけならいいんですが、時折ミラクルな事もやっちまいます。
(続く)

本物はスゴイ! 32011/08/06 14:00

一会社の社長ともなれば、その自慢の腕前も相当なものです。

私もこの会社に入るまでは全く知らなかったんですが、私たちが普通に買う事の出来るボルト類のネジ部は「転造」と言う手法で作られていて、バウムクーヘンの外周部にネジと同じ山が切ってあって、左右両側からバウムクーヘンで丸棒を挟んでネジを上げると言う方法を使います。この方がネジを速く作る事が出来るんですね。

さて、ネジという物はJISを始めとして様々な規格があり、ネジ山が上がりすぎても上がらなさすぎても製品にはならないんですが、「この界隈では俺が一番や!」と自慢していた御仁、「貸してみぃ!」と手本を見せようとしたんですが、機械が異様な唸り音を発したかと思うと、手に持ったシャフトの先端部にネジが上がっていたんです・・・ハリネズミの様にピンピンに尖ったネジ山が!

「こんなんなってもうたぁ〜」(ヘラヘラ笑いながら)

製品なのにそれで終わり。本人はトンズラこいて、どこかへ行ってしまいましたとさ。どーすんねん、製品!

今度はネジの上がったシャフトを変に曲げてしまったらしく、良く見ないと分からない程度ですが「く」の字型に曲がっていました。本人は自分のミスなので何とか内々に処理しようと、くの字に曲がったシャフトをハンマーでどつき始めました・・・当然、まっすぐになる筈も無く、1ヵ所で済んでいた曲がりが複雑怪奇な曲がりに・・・。あのシャフト、海外の原発向けじゃ無かったかなぁ。中東辺りで原発事故があったらコイツのせいですね、間違いなく。

さらに、円筒形のシャフト曲面に刻印を打たなければならない製品があるんですが、凄い腕をお持ちのその御仁、何を思ったのか普通の平面用の刻印に文字をセット、インパクトの瞬間に曲面に沿って素早く刻印を回すと言う奥義を披露したのです!当然、刻印はハンマーが刻印をどついた瞬間の文字しか刻まれず、どうやっても文字を刻む事はかなわなかったのでした。
因みに、ちゃんと曲面用の刻印という物が別にあります。
(まだ続く)

B-2102の調整@夏2011/08/07 18:00

毎日毎日ろくでもない会社の事を書いていると、だんだん気が滅入ってきたので(笑)、オーディオの話題も。

盆休みに遠路遙々Uさんがいらっしゃるのと、8月に入った頃から高域のシャリシャリ感が気になり始め、「あぁ、こりゃB-2102のバイアス電圧が下がってるな」と思ったので、調整する事にしました。

気温が上がったせいか案の定下がっていて、一番下がっている所で約21mVでした。これだけ下がったら、バランスが高域方向に偏りますね。標準設定値の23mVに調整&オフセットも調整。
今回は聴感とバイアス電圧の測定値が一致しました。良かった。(笑)

いつも聴いているCDで軽く試聴してみましたが、問題なさそうです。

本物はスゴイ! 42011/08/07 18:00

製品を生産する上でメインの工作機械はNC旋盤なんですが、人員を増やした事もあって本当に久々に新しいNC旋盤を購入、その旋盤を扱える事をアピールしたかったのか、ただ新しい物に触りたかったのかは分かりませんが、買って3日目ぐらいに動かしていて、刃物台を回転するチャックにぶち当てました。目撃者の証言によると、刃物台がチャックに近付きすぎてヤバイと思ったんでしょうか、汎用旋盤の様に一生懸命右足で無いブレーキを踏みまくっていたらしい。踏んでも止まらないのでそのままドカン!そのかわいそうなNC旋盤はしばらく動いていたんですが、刃物台が回らなくなり、修理を呼んだら軸が折れてました・・・。

コイツがやった最高金額の失敗は、何と言っても私が使わされていた4mのNC旋盤のオーバーホール失敗でしょうね。まぁ、1人で決めたわけじゃ無くて、幹部数名の賛成によって決まった事ですから、100%の責任では無いにせよ、最終決定権はコイツにあるはずですからね。

このでかいNC旋盤、後で分かった事ですが優に40年は経過している代物で、オーバーホール前は寸法が1mm近く狂っていたので、「オーバーホールで本当に良くなるのか?」と言う疑念がありましたが、疑念を裏切らない結果にガッカリ。主要部分は研磨し直して部品は換えたと言っていますが、刃物台およびその基礎部分、チャック、変速機構(手動!)、切削液のポンプ、作動用の油圧ポンプはそのまんま!これで1600万円ですか?と言う仕上がりに驚いたものです。実際、すぐに切削液のポンプがぶっ壊れて「ギャー!」と言う悲鳴を上げ、1/100mm単位の精度は出ず、チャックの中身は錆だらけ、ボールネジの給油ラインは後から追加&追加配管がすぐに壊れる等々、枚挙に暇が無い位のトラブル連発で使い物になりませんでした。

おまけにNC旋盤を搬入&設置する前に、足の場所の基礎工事をやるんですが、奴はコンクリートに穴を開けるのに鉄用のドリルを持ってきて「全然あかへんわ〜」と。後で誰に聞いたのかは知りませんが、コンクリート用のドリルを持ってきて開けてました。

それだけで済んでいたら良かったんですが、その穴に流し込むコンクリートを自作、傍目で見ていても「それ、シャブコンちゃうかぁ」と思う様な逸品を流し込んで上に鉄板を敷き、設置してその場は何とも無かったんですが、1年ちょっと後に水平を見たら結構狂っていて、オーバーホールした業者が調整。相変わらず調子が悪いので、今年の6月になって旋盤メーカーに依頼して検査してもらったら、水平グチャグチャでベッドが波打ってる!、刃物台が弱い、横方向の移動誤差がJIS規格を超えているという素晴らしい結果が。そりゃ寸法なんて出ません。出ると思っているのは現場知らずの幹部だけ。

メーカーの検査員氏曰くは、足の下のコンクリートに隙間が空いているか何かして、調整が思い通りにいかないし、敷いている鉄板も沈んで行っていると。その話を私の横で奴も聞いていたんですが、奴が言った一言。

「それは工事屋がやりよったんや!」

ウソつけ!オマエがシャブコン作るとこ、ワシは横で見とったんやぞ!と言ってやりたかったんですが、そこで奴を凹ませて叩くと権力を使った嫌がらせが始まるので黙ってました。


私は知りませんでした、世の中には「本物の阿呆」が居ると言う事を。 これを読んでいる人も「そんな馬鹿な」「話をふくらませすぎ」と思うのは当然だと思います。私も第三者的にこんな話を聞いたら、「会社が嫌で辞めた言い訳に使っている」と思いますもん。「本物はスゴイ」と言わざるを得ません・・・。

噂ですが、大学もややこしい方法で入ったらしいです。

戦場のピアニストでチェック2011/08/08 18:30

テレビを修理&BDZ-AX1000を買ってから初めて「戦場のピアニスト」で画質・音質チェックをしてみました。

以前の評価は「カットによってバラツキがあるので画質は完璧では無い」と書いたと思いますが、再生装置が良くなったからか一層クオリティアップ、洋服やレンガ造りの壁の質感、家具調度品まで見事。音質もPMA-390SE(改)の高域がますます伸びて鋭くなったせいか、食器とスプーンが当たる音のシャープさ、銃撃音の迫力と締まり、窓ガラスがバッシャーンと割れる音等、ハードでシャープで文句無し。ちょっとハード過ぎるかもね。サラウンドも文句無しのトータルSクラスとなって感心しました!ただ、写真下のシーンの空の部分でザワザワとノイズが乗るのが欠点ですね。ハードに問題があったりして。

いや〜、T芝のヘボ修理のせいで画質が低下していたとは!許せませんね!
加えて、BDZ-AX1000は優秀だと思います。

真の支配者 12011/08/08 19:00

ここまで読むと、「馬鹿社長の為の馬鹿会社」と言う印象を受けるかも知れませんが、真の支配者はコイツでは無いのです。

この会社は創業者(故人)が居て、その息子が例のアレなんですが、創業者はとにかく口うるさくて、ちょっとでも姿が見えないと「アイツはどこ行った!仕事しろ!」と怒鳴っていたそうなんですが、それも社内だけ。家に帰ると借りてきた猫みたいに大人しくなるんだそうで。そう、実はこの会社は「女帝」に支配されていて、以前は創業者の妻、今は社長の妹(独身)が実質的な絶対権力者で、創業者の妻も監査役として権力と金蔓を残し、妹君が我が儘やりたい放題の会社だったんです。

以前、娘婿の専務が居て、この専務はまぁまぁ話が分かって言う事もまともだったんですが、妹君に「就業時間中に家(工場の隣)に戻って煙草吸ったりコーヒー飲むのはダメだよ」と、一般常識的にはごく当たり前の注意をよくしていたらしいんですが、その専務の首をスパーンと切りやがりました。身内なのに、ですよ。

こんな奴でも毎月数十万円の報酬があるらしく、趣味は貯金で通帳の数字が増えていくのを見るのが楽しみ。東日本大震災の時も募金したなんて話は聞きませんでしたし、家事はしない、偉そうには言う、自分の意見が通らないとキレる、気分次第で物を言う等々、ほとんど専制君主状態。私が入った時に顧問だった人も専務になりましたが、この妹君にビビったのか、専務になってからはマリオネットの様に、妹君が気にくわない事を注意するだけの人になってました。現場の仕事なんて全く知らない奴が介入してくるんですから、そりゃぁひどいもんでした。

さらにひどい話なんですが、同僚に不幸にして通勤途上災害(自転車で車にはねられた)にあった人が居て、当然労災申請を会社にしたんですが、この妹君は労災申請をやった事が無かったらしく、終始「知らないし、分からないからやるのは嫌」的な態度。おまけに「この会社はこう言う事はしません〜」と。これって許されて良いんでしょうか?業を煮やした同僚が自ら保険事務所へ出向いて調べ、事務所の人に「何で会社が手続きしてくれないんですか?」「社員さんが手続きするなんて、聞いた事が無いですよ」と言われながら手続きをしたそうで。

私が入社する前、別の同僚が旋盤に巻き込まれて救急車や警察まで出動する騒ぎがあった時も、結局責任は同僚に全部押し付け、労災申請もせず、治療の為に会社を休んだ処理は何と有給休暇!そんな阿呆な・・・。

(続く)