A-10IIの調整2013/09/08 18:00

発売から29年、購入から28年経った骨董品?のA-10II、ここしばらくはほったらかしだったので、調整と清掃を行いました。

電源ON直後のバイス電圧は5mVで、約3分後には15mV前後にまで上がります。そこから3時間放置して18mVに調整しました。18mVはサンスイ大阪さん(現 山水サービス代行)で低歪みで音質の良い値として設定してもらいました。NECに聞いた時の7mVってのは、発熱量から考えても少なすぎると思いますけどねぇ。新品時の発熱の方が明らかに多かったですし。

SP端子に出ているDC電圧は0.7mV、振れは無くて安定しています。ヒートシンクに付いている基板の2SC2291が劣化してくるとDC電圧がフラフラするので、そうなってくると要修理です。2SC2291が入手しにくくなっていたので2SC1845を合体させてありますが、その2SC1845も廃止になっちゃいましたしねぇ。因みに、このトランジスターにブロアー等で風を当てると、DC電圧が振れます。

セレクターの接触不良が少々気になりますが(グルグル回して回復)、コンディションは問題無さそう。久し振りに試聴してみましょうか。

28年目の試聴2013/09/11 19:15

一昨年気付いたCD入力の音質が悪かったのは、28年間で一番のガッカリでした。AUXは問題無いのに、購入してからずっとCD入力をメインにしていたので、わざわざ音の悪い入力で聴いていたとは・・・新品時は差が無かったと思いたいです。私の機体だけの問題でしょうかねぇ。

試聴はB-2102と平等な条件のADで行いました。入力はサブソニックフィルターを入れてあるAUX1を使っています。

○BIS LP-225(B面)
B-2102と比べると、ドラムの重量感、高域の抜け、密度と言ったところがイマイチ。若干音がベタっとした感じになります。音像も若干甘くなりますかね。でも、価格1/3のB-2102と言われれば、十分に納得出来る高音質だと思います。オペアンプを検討すれば更に良くなる可能性もありますが、投資対効果は低そうです。

○「la Spagna」(LP-163 A面)
高域のキラキラ感、音の密度は控え目ですが、良く鳴っています。ん~、3バンドのドラムの量感は明確に負けてますね。

○「Viet Nam」(B面―2)
これを聴くと、やっぱりちょっとまったりサウンドかなーと思いますね、B-2102と比べると。拍子木の「硬質な透明感」は少し落ちます。でも、目隠しして聴かせたら、絶対にA-10IIだとは分からないと思います。

追加でCDも聴いてみました。
○「La Folia」
当たり前ですが、B-2102との差はADの場合と同じですね。高域は「重い」と言う感じです。爆竹の爆発力は十分で、顔に圧力を感じます。鐘の音は若干色が付きますが合格。

総評としては、オリジナルを上回る音質(特に中高域)で、価格を考えれば十二分にハイCP、とても28年も前のアンプとは思えません。ボリュームがもっと高品質なら、更に改善も見込めるんじゃないかと思ったりもします。
サブソニックフィルターに使ったJantzen CrossCap(銅板2回巻)は、色付けも無くて優秀ですよ。

懲りない人達2013/09/22 18:30

先日拙宅にいらっしゃったUさん所有のB-2105が故障、山水サービス代行さんへ修理に出したんですが、まーたまたやっちまってたらしいです。

UさんのB-2105は個人売買で入手した中古品で、入手して間もなく故障してしまったため、納豆やピーナッツの名産地にあるサンスイSS(現○○○)に一度修理に出していました。その時の故障原因はMOS-FETが壊れていたそうで、MOS-FET交換で修理完了と。今回の故障はMOS-FETでは無かったんですがバラしてみてビックリ、4個2組のMOS-FETだけランクが違う・・・片chだけYランクとOランクの組み合わせで修理されてました(写真上:Uさん提供)。どこかで聞いた事がある話だと思ったら、私のB-2102と全く同じ事をやってやがる!時間的にはUさんの方が先だと思いますが、進歩が無いと言うか、何も考えていないと言うか・・・。

それと、料金が高いと評判の某工房のおじさん、写真下の○で囲んだ部分のコンデンサーを半分の個数に省略して「ワシゃ電気の事が分かっとるからこんな事が出来るんや!」とご自慢されているようですが、そこは並列でコンデンサーを使って抵抗値を下げているんだから減らしちゃダメなの!わざわざ音を悪くするようなチューニングをしなさんな。山水サービス代行さんはお怒りです。別件でmixiのコミュニティで話題になった、このおじさんのひどい修理、結局ケツを拭かされたのは山水サービス代行さんで、重ね重ねお怒りです。

どちらの修理も確かに音は出るようになるかも知れませんが、音質に配慮が全くありませんね!私のB-2102は、○○○の修理失敗で焼けたコンデンサーをテキトーな物に交換され、その容量が篦棒にでかかったので高域特性が劣化すると言うオマケ付きでしたし。こう言う音質に全く配慮しない、出鱈目な修理で劣化した音しか出せないサンスイのアンプは本当にかわいそうです。

「水」で修理したアンプもすぐに音が出なくなったとか、苦情が多いみたいですね。そりゃぁリレー代をケチって、わざわざケースを開けて接点復活剤をぶっかける様な事をやってるんですから当然と言えば当然ですか。

ホント、懲りない人達です。こんな所に修理に出したら泣くに泣けませんわ。

ところで、UさんのB-2105はMOS-FET全交換、故障箇所の修理と整流ダイオードの倍付け改造を行って音質アップ!私のB-2102と同じく、整流ダイオードの倍付け改造は効く様です。たくさん付いている電解コンデンサーは特に問題無いそうで、これらが原因で故障に至るケースはほとんど無いって事でした。
ここからは私見ですが、それでもコンデンサーを交換したい人、音色を変えるのが嫌ならSILMICIIが良いでしょうね。ネアカで元気なサウンドに「一皮剥きたい」人にはMUSE KZをお奨めします。

31DF2投入2013/09/29 19:30

A-10IIの整流ダイオード、最初に交換した時はあまりよく分かっていなかったので、逆回復時間以外のスペックが近い30PRA20(90ns)を使っていましたが、オリジナルの30DF2(200ns)よりは高速なものの、30DF2の代替品と思われる31DF2(30ns)の方がより高速で音質向上が見込まれると思いつつ、面倒臭いのでほったらかしてましたが、B-2012やAU-α607KXに使っているFR(C)F10A20(35ns)と同等にしたいと思い、重い腰を上げました。

最初はダイオード交換だけを考えていたんですが、よくよく考えてみたらA-10IIのブロックコンデンサーには、サンスイのアンプのようにコンデンサーの類いがパラっていないので、ついでにやればもっと音が良くならないかと考えて、手持ちの中古パーツを漁ってみたら、100V 0.1uFのポリプロピレンフィルムコンデンサーが6個あったので、お試しで8本中半分の4本にパラってみようかと。某所のお奨めは0.5uF程度らしいですが、効くかどうか分からないし、まぁいいでしょう。

さっさとバラして30PRA20を取り外し、31DF2と比べてみると、サージ電流の許容量が違うせいでしょうか、リード線の太さが違いますね。今回もハンダ付けやヤニ掃除をしている時に「バチッ」と4回くらいやっちゃいました。これでは壊れないって分かっているので、もう落ち着いたものです(笑)。基板裏側は、配線がゴチャゴチャしているので本当にやりづらいです!
フィルムコンデンサーは写真の位置に4個取り付けました。右側のコンデンサーは配線と被っていますが、熱を持って焦げたりしないだろうね・・・。

とっとと戻して音が出るか確認。小さなスピーカーで数時間テスト運転しながらバイアス電圧を確認、この間調整したばかりですから問題無し。ただ、ゆっくりと変動するのが気にはなりますね。

とりあえず、普通のCDを聴いてみました。
「交換当日は低音不足になるかな?」と思っていましたが、音色一変、全域で滑らかになって充実した中低域に驚き!全くの予想外です。充実と言う表現は、情報量が増えたと言い換えても良いでしょう。左chが少し弱い気がするのは、バイアス電圧調整をしくじった?気になる様なら再調整かな。

中低域の量感は物足りませんが、「イマイチ足りない」と思っていた要素が補われた感じです。高域も重さが減った様に思います。まずはエージングですが、良ければフィルムコンデンサーを増やしてみようかなぁ。

2日目の試聴2013/09/30 20:30

エージング不足だとは思いますが、音が良さそうなので軽く聴いてみました。
(音源はCD)

○「La Folia」
おぉ!一聴して分かる音の違い!ベールが一枚剥がれた様な感じで、スカッと伸びる高域、全域で解像度&滑らかさアップ。MOSの繊細さには及びませんが、A-10IIから出ている音とは信じ難い。高域の微粒子感、低域の締まりとスピード感、全域の解像度はB-2102に負けますが、かなり良いです。イマイチと思っている部分は、フィルムコンデンサー追加でさらに改善される?
爆竹の音もスカッと抜けますが、カスタネットは僅かに重いかな。鐘の音はもうちょっと鮮やかさが欲しいし。

○「La Spagna」(SACD)
もう高域の伸びが別物!ちょっと暴走気味かも知れません。低域はもう少し量感が欲しい(若干軽い)ところですが、十分合格レベル。ベルの音はかなりMOSに接近、8割と言ったところでしょうか。極僅かのキャラクターと僅かに濁ります。整備前のB-2102は越えてますね。31トラックのピアニシモで鳴る鉄琴も見事です。

○「竹竹」(ちょっとだけ)
はいはい、これ迄とは全然違います。高域の伸び不足解消、音場、音質共にスッキリ、やはり重量感はイマイチですが、満足度は高いです!

今回の改造は久々のヒットになりそうです。普通のCDを聴いている時から予感はありましたが、こんなに差があるとは思いませんでした。いつもは試聴するとB-2102に戻したくなるんですが、今回はもっと聴きたいですね。ダイオード交換とフィルムコンデンサーは分ければ良かったかな・・・でも、めんどくさいし。(汗)

誰もやらないと思いますが、パワートランジスターの銅板(1mm)サンドイッチ、整流ダイオード交換(SBD不可)とフィルムコンデンサー追加、お好みのオペアンプに交換はお勧めです。スピーカーリレーの接点研磨は禁止!こんなもんは使い捨てですよ。手に入らない人は山水サービス代行さんに泣き付くとか。

もうちょいエージングしてからADを聴いてみようかな。(楽しみ)